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3年に一度、神に捧げる舞

2017/09/26

歴史, 行事

鹿児島でいう神舞は神楽のことです。今回は湯之尾神舞を紹介します。広辞苑によれば、「神座かむくら」が転じたものとされています。かむくら、かんぐら、かぐらと変化していったというのが語源の定説とされます。
駄洒落のようですが、神座は、一つの場所そのものを指すのではなく、神座における所作全般を意味しています。自然物に神が降臨されて、その神にささげるものです。
神楽という名が文献に登場するのは最古のものは「万葉集(759年頃)」にあります。湯之尾の神楽も、天の岩戸の前で天照大神を慰めるために舞ったといわれ、その起源は神話の時代までさかのぼります。
伊佐市湯之尾神社に伝わる「湯之尾神舞」は、五穀豊穣、無病息災を祈願して1490年頃(室町時代)から始められたといわれています。
豪華な衣装でしめやかに踊る舞、赤い衣装に白塗りの面を着け餅をついたり鉄砲に気絶したりのユーモアたっぷりな舞、口上のある舞と句のない舞です。
以前は旧暦霜月の満月の夜に一晩中踊ったといわれ、35番の演目がありました。今は11月23日の豊(ほぜ)祭りの日に10数番ほどが披露されます。11月23日は、新嘗祭。稲の収穫を祝い,翌年の豊穣を祈願する古くからの祭儀です。
3年毎に開かれる大祭で、伝承されている26番のすべての舞が奉納されます。県指定の無形民俗文化財であり、今も地区の子供たちに受け継がれています。続けて欲しいですね。