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明治の面影を強く残す産業遺産

2016/12/26

自然, 歴史

 鹿児島県伊佐市南部の川内川上流に位置する「曽木の滝」。その1.5キロメートル下流に今でも明治の面影を強く残している曽木発電所跡があります。曽木発電所は明治42年に竣工し、その出力は当時国内でも最大級のもので、水俣のチッソなどにも送電を行っていました。昭和40年に鶴田ダムの完成とともに水没してしまいましたが、水量が少ないときは中世のヨーロッパの居城跡を思わせるレンガ造りの建物が見られます。
作ったのは野口遵(のぐち したがう)という近代化学工業の父とも言われている人です。野口 遵は、金沢の貧しい士族の家に生まれましたが、勉強して成功を納め、人生の最後には私財全財産(昭和16年当時3000万円といいますから、米価比較から推計すると今の価値で810億円程度)を投げ打って、財団法人野口研究所と朝鮮奨学金を作った人です。