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世界最古の手漕ぎ舟の競漕

2017/05/26

自然, 行事

 伊佐には川内川(せんだいがわ)という大きな川が流れています。川内川は、その源を熊本県球磨郡あさぎり町の白髪岳(しらがだけ 標高 約 1,417m)に発し、羽月川(はつきがわ)、隈之城川(くまのじょうがわ)等の支川を合わせ、川内 平野を貫流し薩摩灘(さつまなだ)へ注ぐ、幹川流路延長 約137km、流域面積 約1,600km2の一級河川です。その流域は、東西に長く帯状で、熊本県、宮崎県、鹿児島県の3県、6市4町(えびの市・ 湧水町・ 伊佐市・ さつま町・ 薩摩川内市・ あさぎり町・ 錦町・ 小林市・ 霧島市・ いちき串木野市)という広範囲にまたがります。
 ドラゴンボートレースは『古代中国で生まれた、世界最古の手漕ぎ舟の競漕』と言われており、国際大会などでは20人以上乗り込む大きな船で速さを競うものです。北京オリンピックでは公開競技となり、アジアやヨーロッパで盛んに大会が開かれているスポーツです。川内川湯之尾(ゆのお)滝上流の広々とした流れの緩やかな場所において(昭和58年に完成した湯之尾可動堰の整備)、川を活かしたスポーツ振興と地域おこしの為、平成2年よりドラゴンボートレースが開催されるようになりました。このドラゴンボートレースは、10名で1艘のボートに乗り込み早さを競う競技です。
郷土の自然と共生する心、家族や仲間と交流協働する心、競技を楽しむ心、そして伊佐を愛する心を育むことを目的としています。子どもから大人まで誰でも気軽に参加できるスポーツで、現代社会においては貴重となった川での自然体験活動の場にもなっています。住民の中には親から子、子から孫と3世代に渡り競技を体験した人も出てきて、伊佐市の新たな伝統文化にもなっています。男の子の健康を願う五月の節句で食べられる「ちまき」と、「ドラゴンボートレース」は中国の故事をたどると同じ起源となっており、毎年春の子どもの日前後の日曜日に開催され“地域ぐるみで子どもを育てる場”にもなっています。県立伊佐農林高校にはカヌー部の練習もここで行われ、国体にも出場しています。